自転車の組み立てはどのようなことでしょうか。普段街中で走っている自転車について、お客様に渡す前に、組立しないといけないことが普通です。出荷時にはほとんど70%以下で組立されている状態で、残りの部分を組立てから、点検などを実施の上、販売、お客様にお渡しできる状態にします。今回は、自転車の組み立てについて紹介します。
自転車の組み立ては専門知識や技術が必要
自転車は自転車屋さんで直接、完成品を買う時代から、最近はオンラインショップで海外製などを含め、気軽に買う方も増えてきました。
もっとも、完成した状態の自転車を宅配便などで自宅まで届けるのは難しく、送料も高くなってしまうため、組み立てが必要な状態で届くケースも少なくありません。
自転車を通販で購入する際の注意点はこちら
説明書に従って素人が組み立てを行った結果、事故や不具合につながったケースが増えており、国民生活センターでは注意を呼び掛けています。
自転車屋で購入する場合
自転車屋さんで販売されている自転車は、どのような状態で売られているのでしょうか。
一般的には完成品で納品されるのではなく、メーカーの工場から部品の一部が装着されていない状態、組み立てが必要な状態で届きます。
それを自転車屋さんにて専門知識と技術を持つ有資格者が組み立てを行い、検査をしたうえで消費者に販売しているのです。
自転車店についての詳しい記事はこちらをご覧ください。
オンラインショップで見かけるケース
オンラインショップで購入した場合、自転車の専門店でない場合など、メーカーから直送と同じ状態で販売しているケースがあります。
説明書には、自転車安全整備士または自転車技士もしくはそれに準ずる技術がある人が組み立てるように案内されています。
もっとも、初めて聞く資格名に躊躇することや探して依頼するのが面倒、組み立ての工賃を節約したい、説明書を見れば自分でもできそうと、自ら組み立てにチャレンジする方も少なくありません。
思った以上に難しかった、重量があって持ち上げるのも大変だったなどという声も聞かれます。
何より不完全に組み立てられ、点検や整備も不十分であれば、走行中に事故を起こし、自分自身や他者を巻き込んでの大きな人身事故を引き起こすリスクもあります。
そのため、組み立てが必要な自転車を購入する場合には、どの部分の組み立てが必要か、できない場合にはどうすべか、十分に確認してから買うことが大切です。
事前に確認すべきこと
組み立てができずに困っている、不具合で事故を起こしたといった苦情があることを受け、国民生活センターではオンラインショップで自転車を購入する際に、以下の点を確認するように呼び掛けています。
まず、どのような組み立てが必要かを確認し、組み立て方法に不明な点があれば販売事業者に問い合わせましょう。
購入時点だけでなく、購入後の点検整備や修理サービスもどうなっているのか、よく確認しておくことが大切です。
オンラインショップで購入した自転車も防犯登録義務があるため、どんな方法で登録できるかも確認しておきましょう。
電動アシスト自転車COOZYの場合
COOZYは95%組み立て済みの状態で届き、残りの5%を納品後に組み立てする仕様です。
ハンドルの固定とペダルの取り付けといった、簡単にできる組み立てのみとなっています。
こうした組み立てとブレーキの動作確認などは購入者ご自身で責任を持って行うことになりますが、ご自身で行うのが心配な方や安全に使いたい方は、自転車屋さんに依頼すると安心です。
工賃はかかりますが、残りの組み立てと点検を自転車屋さんに行ってもらうことができます。
その後の点検やメンテナンス、修理なども頼みやすくなるので、自転車に乗るならかかりつけの自転車屋さんを持っておくと安心です。
自転車の組み立てに関する資格
自転車の組み立ては、高度な技術を必要とし、安全管理も欠かせないため、自転車安全整備士と自転車技士という2つの資格制度が定められています。
この資格がないと自転車が売れないわけではありませんが、修理なども行っている自転車屋さんのほとんどは有資格者です。
別々の団体が運用する資格ですが、試験が同時に行われるため、多くの方がどちらの資格も保有しています。
自転車安全整備士とは
自転車安全整備士は、公益財団法人日本交通管理技術協会が認定しています。
自転車の安全利用を促し、自転車の交通事故の防止と被害者の救済を目的にした自転車安全整備制度を推進するために制定された資格です。自転車の点検整備をはじめ、市町村や警察、学校などと連携して自転車の正しい乗り方を教えるなど、地域で安全指導を行う役割も果たせます。
自転車安全整備士がいるお店は、自転車安全整備店として、点検整備した自転車に点検整備済TSマーク(損害賠償・傷害保険付)を貼付することができます。
受験資格は18歳以上で、自転車の点検及び整備並びに自転車の安全利用に関する指導で2年以上の実務経験を有することが必要です。
試験は、学科・実技・面接の3科目で、正しい知識があるか、高い技術を有しているか、コミュニケーション力があるかなど厳正に審査されます。
自転車技士とは
自転車技士とは、一般財団法人日本車両検査協会が、自転車の組み立て、検査・整備技術の審査に合格した者に付与する資格です。
一般社団法人自転車協会によるBAAマーク表示自転車や一般財団法人製品安全協会によるSGマーク、自転車及び産業標準化法にもとづくJISマーク表示のある自転車の組み立てや検査、整備を行うには、自転車技士の資格が欠かせません。
資格取得後も技術と知識の向上を図ることが求められ、5年ごとの資格更新が義務付けられます。
自転車技士の受験資格は18歳以上で、自転車の組み立て、検査及び整備について2年以上の実務経験を有するか、または日本車両検査協会が認定した専門学校の専門課程で2年以上の教育を修了していることが必要です。
2022年6月現在、認定校は全国に3校しかありません。
実技試験
実技試験の注目ポイントは、試験会場で実際に自転車の分解と組み立てを一人ひとり審査されることです。
細かい規定が定められた受験用自転車を受験者自身が持参しなくてはなりません。
試験では、七分組の状態の自転車をまず分解し、それを組み立ていく工程を審査されます。受験用の自転車は受験要件に定められた要件に適合する市販のスポーティ車またはマウンテンバイクです。試験のために改造されている場合や試作されていると失格です。
また、商品価値を損なうような、大きな傷やサビ、泥や汚れが付いていると大きな減点になります。
有資格者のいる自転車屋が安心
このように、自転車安全整備士と自転車技士の資格を持つ人は、2年以上の実務経験を有するうえで、厳格な実技試験をクリアできた確かな技術と知識を持つ方です。
そのため、ネットで検索して気に入った自転車を買いたい場合も、販売メーカーや販売代理店が推奨している取り扱い販売店で買うか、オンラインショップで購入後に点検や整備、修理などを依頼できるお店を持つことがおすすめです。
COOZYの取り扱い販売店は関東、東北、中部、近畿、中国、四国、九州エリアに展開されており、続々と増えています。
購入から自転車の組み立て、点検、整備などのアフターサービス、カスタマイズに至るまで、プロに任せられるので安心です。
有資格者のいるお店を事前に確認
自転車の組み立ては専門知識と高度な技術が必要です。自転車の組み立てが安全にできる資格として自転車安全整備士と自転車技士があります。
オンラインショップで自転車を買う場合には、組み立てが必要か事前によく確認しましょう。
一から組み立てが必要な製品で、近くに組み立てを依頼できる自転車屋さんや有資格者がいない場合は、安全性を考えるとおすすめできません。
ほぼ組み立てが済んでいる状態で納品される製品で、組み立てに困った時や使用中の点検、整備を依頼できる自転車屋さんが近くにあるか確認したうえで、購入するのが安心です。