物価上昇で自転車も値上げされる?
電気代やガス代、ガソリン代が上昇したり、鉄道やタクシーの運賃が値上げされたり、身近な食料品が続々と値上げされるなど、生活のあらゆる面で物価上昇が続いています。
入園や進学、就職などに伴い、自転車がほしいと考えている方や電動自転車への買い替えを考えている方も多いのではないでしょうか。
さまざまな物価が上昇する中で、自転車価格も上がるのか気になるところです。
価格が上がるなら、値上がり前に早く買っておきたいと考えている方も多いかもしれません。
・物価上昇の原因と自転車価格への影響
物価が上昇している原因は、いくつかあります。
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアからのエネルギー輸入がストップしてエネルギー価格が上昇しました。
ウクライナは小麦の輸出大国であるため、小麦の輸出量が激減し、小麦粉の価格も上昇しています。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、生産の停滞や生産量減少、物流の停滞などが起こり、さまざまなものの供給量が需要を下回り、物価が高騰しています。
半導体をはじめ、工業用や産業用の部品などが軒並み高騰しました。
アメリカでは新型コロナウイルスの感染を避けたいと、郊外に移り住み、一戸建てを建てるニーズが一気に上昇しました。
これにより木材価格が高騰し、日本でも輸入材の価格が高くなるなど、影響を与えています。
これに加えて、史上まれに見る円高が進んだのも、大きく影響を与えました。
日本では多くの原材料や商品を輸入に頼っている現状があり、円高によるコスト高を吸収しきれなくなり、値上げに踏み切る国内メーカーが増えました。
こうした紛争や政治の混乱、経済不安が発生すると、有事の金といって、価値が落ちない現物資産である金へのニーズが高まります。
これによって、金価格が急上昇しており、その他の金属価格も上昇傾向にあるのが現状です。
自転車には金属が使われるほか、電動自転車にはバッテリーも搭載されます。
輸入部品などに頼っている部分も多いので、コストは確実に高くなっているのは事実です。
製造工程では工場や機械を動かすための光熱費といった、エネルギー代の値上がりも痛手です。
自転車の原材料価格や製造コストは上昇しているため、自転車の価格が値上がりしてもおかしくはありません。
・自転車が値上がりするかはメーカーの方針による
物価上昇の現状を考えれば、自転車も値上がりしてもおかしくありません。
ただし、実際に値上がりするかは、メーカーごとの方針によります。
原材料コストや製造コストが上昇しても、ほかの経営努力でコストカットをして現状価格を維持することや値上がりを極わずかにとどめられるメーカーもあるかもしれません。
また、2023年4月には日銀総裁が交替することから、円高の状況や金利政策が代わって景気回復を期待することやアフターコロナを見据えて、価格据え置きで頑張ろうとするメーカーもあるでしょう。
もっとも、ウクライナとロシアの紛争はとどまる気配が見えないことから、しばらく物価の下落は見込めないとして値上げに踏み切るメーカーが出ることも予想されます。
・メーカーの動きをチェック
自転車の値上がりが気になる方は、気になっているメーカーやほしい自転車のブランドの動向を、チェックするようにしましょう。
どの業界のどのメーカーも、いきなり値上げはしません。
必ず事前にアナウンスが入ります。
「○月から値上げします。」と告知がされるのが一般的なので、値上がりが決まったら、値上がり前に買えるよう、ほしい商品を絞り込み、資金を準備しておくことがおすすめです。
焦って買いに行かなくても、値上げする前日や事前に告知された日までにオンラインショップなどで予約を入れれば、現行価格で販売されるケースも多いので、ほしいメーカーやブランドからの案内はこまめにチェックするようにしましょう。
春闘の影響で自転車が値上げされる?
春闘で賃上げ要求がされると、自転車が値上げされるのでしょうか。
賃上げ=自転車の値上げではありませんが、自転車のバッテリーや部品製造メーカーや自転車製造メーカーで賃上げがなされると、影響が出るかもしれません。
賃上げした分をメーカーがほかのコストカットやほかの方法で捻出できずに、部品価格や商品価格に転嫁することがあれば、自転車価格が値上がりすることも予想されます。
自転車には金属などの部品も使われるので、周り周って鉄鋼メーカーなどの賃上げが影響することもあります。
また、自転車を販売する専門店や量販店などでの賃上げも、販売する商品への上乗せが予想されるので、注意が必要です。
賃上げ分を、企業がどこで吸収するかによります。
価格転嫁ではなく、コストカットなどで吸収できるならば、大きな影響はありません。
もっとも、国としての賃上げ要求の勢いが強く、大手企業など余力のある企業を中心に賃上げに踏み切る勢いです。
賃上げをする企業は、優秀な人材を集めるための先行投資という意味合いがあります。
賃上げするかは企業によって差があり、それを価格転嫁するかも不透明なので、春闘による賃上げがダイレクトに自転車価格に影響するとは限りません。
一方、春闘で賃上げが実現し、お給料が高くなれば、物価上昇の影響で自転車が値上がりしたとしても、負担感を抑えて買うことができるのではないでしょうか。
また、電動アシスト自転車の購入をする際に補助金を活用できる場合があります。電動アシスト自転車の補助金に関してはこちらの記事をご覧ください。
値上げされたら自転車ニーズは低下する?
自転車がもし値上がりしたら、自転車へのニーズは低下するでしょうか。
値上がりの幅にもよると思いますが、自転車は贅沢品ではなく、生活の必要を感じて購入する方が多いので、そうした側面では需要自体が大きく減少することはないでしょう。
たとえば、通勤や通学、送り迎えや買い物の手段として必要な以上、買い控えることはできません。
ただし、買いたかった自転車より、価格の安い自転車にシフトする可能性はあります。
・自転車が値上がりしてもニーズが高まる可能性
自転車が値上がりすると、通勤や通学、送迎などでどうしても必要な方以外、たとえばサイクリングやたまの街乗り用の自転車のニーズは減るでしょうか。
物価上昇や円高でガソリン代も高くなり、鉄道やバスなどの運賃も値上がりする中、車や鉄道、バス利用より自転車を選択する方も増える可能性が増えます。
排気ガスを抑えて地球温暖化防止にも役立ち、体を動かすので健康にも良いアイテムとして、多少の値上がりなら、ガソリン代や運賃の値上がりをカバーできると判断する方もいるかもしれません。
・電動自転車からママチャリへのシフトは起こる?
電動自転車に比べると、ママチャリなどのシティサイクルはもともとの価格が安いです。
自転車の値上がりの有無を問わず、あらゆる物価が上昇して家計が厳しいことから、電動自転車をあきらめて、シティサイクルを買う方は増えるでしょうか。
どうしても家計が厳しいなど一部の方は、安い自転車へシフトするかもしれません。
ですが、機能が異なるため、お子様の送り迎えをする方や坂道が多い方、長い距離を走る方などは、目先の価格より、使っていく間の利便性を優先させるはずです。
価格が高くても、スピーディーでパワフルな電動自転車は十分にコストを回収してくれます。
物価上昇や春闘と自転車の価格への影響
物価上昇や春闘による賃上げは、自転車の価格値上がり要因にはなります。
ただし、実際に値上がりするかはメーカーの企業努力や方針次第です。
値上がり前にはアナウンスが入るので、動向をチェックしましょう。